2018.10.27 Saturday
悪魔の筒カナ。
良く晴れた土曜日。
いや夜中は大雨でしたが。
昨日は傘号で大正解でしたよ。 泣きながらゼンマイモトで帰るハメになるところでしたから。
お休みなので、自宅でメロムパンを飲みます。 ごくごく。
さ、会社行くか。
モナコーの置き回りの修理です。
あ、筒カナの調整です。
あ、モナコーじゃなくてモナコです。
筒カナと言うのは、普段は歯車と同軸で一体化している風を装っているんですが、針を回す時には独立して回る事ができるんですよ。
こう説明されると、狡猾でズルイ人みたいな印象がありますよね?
本当に都合が良いですよね。 (違うから)
んで、一体化している素振りをしている時に、軸に軽くカシメて締め付けているのですが、そのカシメる強さが問題です。
時刻合わせで針を回す時ってユルユルではなくて、クラウンを回す指先に抵抗感がありますよね? ソレの事です。
キツイとムーブメントの色々な部分を傷めますし、緩いと今回の様に時計は動いているのに針が動かないと言う事が起きます。
このモナコーはクロノグラフなので、クロノグラフの針は動くのに長短剣は動かないって言うね。 (モナコな)
ソレってクロノグラフじゃなくて、ただのストップウォッチなんじゃね?? あはははは。
笑い事じゃない。
2番車と筒カナを分離します。
筒カナのカシメ部分を叩き潰すのですが、叩き潰し過ぎないように内側に金属の棒を通しますので、その棒を旋盤で削って用意しておきます。
筒カナを締める方法や工具はタクサン出回っていますが、ワタクシはこんな感じの工具を使っています。
元々、カシメてある場所を更に叩き潰します。
叩き潰すと言っても、軽くです。 そんなに乱暴な量ではナイデス。
中に棒を通しておかないと、最悪の場合には切断しちゃいますよ。
カシメたら2番車に『パチッ』っと押し込んでから回転させて抵抗感を確認しますが、この段階では正確な判断はできません。
最終的にムーブメントに組んでから、実際に回して見ないと分からないからですね。
なので、ココでラーメンです。 (関係ナイ?)
新規開拓で初めてのお店に入りました。 次回からメニューを制覇するつもりですよ。 ケケケケケ。
さ、満腹になったので家に帰りそうになりますが、会社に戻って作業しますか。
このムーブメントは動力を『出車(でぐるま)』を使ってクロノグラフに伝達しています。
出車は4番車に圧入してあるのですが、ナカナカのガンコ者でして、引き抜く時に4番車を保持している穴石が動いてしまったので、ソレを修正していました。
チッ。 (こら)
分解して洗浄したので、注油しながらパーツをドンドン組んで行きます。
件の出車を圧入します。
きっと次回の分解でも4番車の穴石が動く事でしょう。
単に組んでいるだけですが、裏にしたり表にしたりと忙しいムーブメントですな。
組み直したので、再度精度の確認なども行ってからクロノグラフの部分も組んで行きます。
他のクロノグラフ・ムーブメントとは一線を画す見た目ですね。
これでムーブメントは出来上がりです。 針を回した時の抵抗感も良さそうでした。
後はカレンダーを組んで、ダイアルと針と取り付けてケーシングです。
たかが筒カナの調整なのに、ここ迄の作業が必要なのは珍しいです。
普通は針とダイアルを外すだけでアクセスできますよ?
鬼なの? 悪魔なの?
悪魔の筒カナなの?
とりあえずカタが付いた風味で安心しました。
ヨカッタ、ヨカッタ。
こんなパーツなんて、入手できる自信がありませんでしたから。
ハトカーを貰っていても。 (ハトカーにコダワルね?)
さ、帰りますよー。
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