2018.11.11 Sunday
パープルスチール。
日曜日ぃー。
でも出勤んー。
いや、会社の近くに用事があったので、ついでの出勤でした。
快晴の中をゼンマイモトでビューン。
コーラの自販機でポイントを溜めています。
15ポイントで1本貰えるんですよね。 コンビニで買うよりお得です。
あ、スーパーとか量販店の方が安いか。 あはははは。
こちら、修理品のお時計に付いていた針でございます。 色ムラや錆がありますな。
それに、ブルースチールと言うよりは紫っぽい色です。
パープルスチール?
でも、スモセコは上から塗った様な形跡も見られますな。
んで、お客様からの依頼で紫色に焼き直すんですよ。
紫色に焼いた事なんてございません。 普通はブルーに焼きますから。
スチールに熱を入れて行くと、銀色→藁色→茶色→紫色→紺色→水色→銀色と変色していきます。
てことは、紫色になった時点で止めればイイのカナ?
そんなに上手く行くの?
とりあえず、長短剣を磨いて表面の酸化膜とか錆を落としておきます。
今回はスモセコはハブです。 仲間外れです。
磨いて脱脂した針を焼く準備ですね。
フライパンと真鍮の粉とアルコールランプを使います。
真鍮の粉に載せますが、針はデザインによって厚みや太さが均一ではないので、ナニも考えずに火に掛けると当然ながら熱の入り方も変わってしまいます。
細くて薄い部分から色が変わって、厚くて太い部分との色の差が出ちゃいますので、針の下の真鍮の粉に接地する部分を調整しておきます。
この針だと、針の付け根と先端が細いので、その下の真鍮の粉を掘ってあります。
ま、テキトーですが。 (こら)
いよいよ、火に掛けます。
藁色から茶色に色が変わって来ました。 茶色の次が紫色です。
放っておくとブルーになっちゃうので、頃合いを見て引き上げます。
あ、真鍮の粉自体の余熱でも色が変わってしまうので、針だけ取り出しています。
ですので、目的の色になった針が真鍮の粉の上に載っている写真は撮れません! あるとすれば、一旦冷やしてから撮影用に載せないと。
つまり、ヤラセ?
おぉ、紫色になりました。
なんか不思議な色です。
パープルスチールも綺麗ですなー。
長剣も同様に作業します。
茶色になったので、そろそろですね。
良い感じで紫になったと思います。
実際にはブルーとパープルのグラデーションになってしまいましたが。 でも、高級感とか美しさは感じられますよ。
スモセコの色合いに近いと思うのですが、こうなるとスモセコだけ見た目が・・・。
やはりハブってしまうのは可哀想?
お客様に連絡して、スモセコも焼く許可を貰いました。
どうせ、ココ迄やるなら・・・ねぇ? (ナニ?)
じゃ、スモセコも磨いてから焼きますか。
スモセコは根元だけ太いので、針自体は完全に真鍮の粉から浮かしています。
それでも先端から熱が回ってきていますな。
3本共に紫色になりました。
長針のハカマ部分の錆が深かったので、凸凹ですなー。
仕方ないっちゃ無いのですが、せっかく焼いたので気になります。
なんか方法あるカナー?
ブルースチールの針で、ハカマ部分だけピカピカの鏡面仕上げになった針を見掛けますよね。
右の針の状態ですね。
これは実験的に磨いてみたヤツでした。
かねてから『どうやって磨いてるんだろう?』と思っていました。 考えても分からなかったのでトリポッドを使って磨いたら、思いの外イイ感じになりました。
『これ、イケるんじゃね?』
そう確信したので、実際にやってみる事にしました。
ただし、サンプルの針はハカマの部分が高くなっていたので問題無かったのですが、実際の針では針との高さの差が殆どありません。
なので、針自体を研がないようにしないと。
お?良い雰囲気?
錆で凸凹していた事を考えたら、全然良くなったと思います。
更に高級感が増しました。
パープルスチール(?)、上手く行きました!
見る角度によって色の濃淡があって、かなり美しいと思いますよ。 やはり塗装とは雰囲気がまるで違いますね。
ブルースチールって人気があるのですが、元々の針が鉄製じゃないと焼く事ができません。 現代の時計の針は殆どが真鍮+メッキだと思いますので、残念ながらブルースチールにする事は出来ないのですよ。
あ、チタンでも同様の作業はできると思いますが、チタンの針ってあるんだろうか? 昔、チタンのクラウンとプッシャーはブルーに焼いた事がありました。
昔のブルースチールの針も多少ストックがありますが、現代の時計はダイアルの直径が大きい為に、長さが足りないんですよねー。 ですので、結局はブルースチールの針にする事ができないのです。
ま、ビンテージウォッチの特権ですね。
明日から新たな週が始まるので、帰りますねー。
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